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FIRE学習本

【「山奥ニート」やってます。】を読んで感じた、FIREと山奥ニートの共通点

どうも緋色です。

いつもは「FIREを目指す為のオススメ学習本」として、私が読んだ本の中から良かったものをご紹介していますが、今回は、従来のFIREを目指すやり方とは違った形で、ある意味FIREを達成してらっしゃる方達の日常を綴った本をご紹介したいと思います。

読んでみてとても面白かったのですが、FIREを目指す為の様々なノウハウが書かれている本ではありません。しかし、FIREを目指す者として共感できることが沢山あった本なので、是非ご紹介したく記事にしてみました。なので、今回は番外編です(記事のカテゴリーは”FIRE学習本”ですが)。

今回ご紹介する本は、石井あらたさんの著書【「山奥ニート」やってます。】です。

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本のタイトル通り、「ニート」の方のお話です(笑)そして、それを和歌山県の限界集落、つまり「山奥」でやってらっしゃるので、「山奥ニート」ということです。

現在は、元々住んでいた高齢の村人5人と、新たにやってきた石井さんをはじめとする15人のニートがその限界集落に住んでいて、石井さん達ニートは、元々あった、現在は廃校になっている小学校(一部は近くの一軒家)で共同生活を送っているそうです。

石井あらたさんてどんな人?

元々教員を目指していたそうなのですが、教育実習の時に辛い目にあったことで挫折してしまい、ひきこもりに――。

しかし、なんとか働かなければと、居酒屋でバイトをしてみたものの、お皿やコップを割ってしまったり、お客さんの頭に運んで行ったビールをかけてしまうなど、沢山の失敗を繰り返してしまったことで、ここでも上手くいかずに辞めてしまいます。

完全に行き詰ったいた所に、東日本大震災の惨状をテレビで目の当たりにした影響や、実際に震災のボランティアをすることで、「もう何をやってもダメなら、ニートになろう」、「どうせなら一流のニートになろう」と決心し、自分と同じようなニートについて、ブログやSNSを通じて調べ始めます。

そんな日々で出会った同じニートの仲間の提案で、著書の舞台となる、和歌山県の限界集落にある、ひきこもりやニートを支援するNPO法人「共生舎」にやってくることになるのです。しかし、住み始めたばかりの頃に代表の方が亡くなってしまい、紆余曲折を経て、石井さん本人がその共生舎の代表を務めることになります。

ここまでの下りでも、結構波瀾万丈で面白いです(*^_^*)

現在はニートの傍ら、ブログやYouTuber「葉梨はじめ」さんとしても活動されています。

緋色
緋色
ニートと言いつつ、結構能動的な方ですね

どんな生活をしているの?

結論から言いますと、月々18,000円で生活しています(笑)しかも、家賃、光熱費込みです!

  • なんせ、廃校で誰も使っていない小学校に住んでいるため、家賃はタダ!
  • 水道光熱費は住民15人で割り勘の為、安い!
  • でも、インターネットは繋がっているので、Amazonで物が買える!

ここだけでも、なんか私には「意外と充実した生活を送られているなぁ」と羨ましく思いました(笑)

気になる収入ですが、石井さんの場合、ブログやYouTubeの収益もありますが、基本的には「花切り」や「梅の収穫作業」、「旅館やキャンプ場の清掃」などの、単発の仕事の収入で十分なのだそうです。他のニートの方も大体同じようです。

お金以外でも、家庭菜園をやったり、狩猟をやったりしているので、食費は結構浮いているようですね。

ただ、良いことばかりではありません。和歌山県という地域柄、台風が多く、倒木によって町まで道路が塞がってしまったり、電柱が倒れて停電になってしまった経験や、ケガや病気のときは、車で30分以上離れた診療所しかないなど、山奥らしい大変さもある様です。石井さん曰く、「今は慣れた」そうですが。

石井さんの以外のニートはどういう人達?

ニートが15人も居ると色々な方がいらっしゃるようです。ニートになった理由も様々。ちなみに、女性もいるそうです(驚き!)。

  • 小説を書く時間が欲しくてニートになった
  • 勤めていた会社がブラックで、働きたくなくなったからニートになった
  • 家庭の問題を抱えていて、居場所が無くてニートになった

上記はほんの一例ですが、皆様々な理由があって、山奥ニートになったようです。

中でも特に興味深く読めたのが、「元・山奥ニート」の方のお話です。山奥での生活ではあまりお金が稼げず、やはりお金をもっと稼ぎたくなって就職活動を始めたそうです。

しかし、「ダメならまた山奥にもどればいい」と捨て身で就職活動したら、逆に山奥での生活に興味を持ってくれた会社に就職することになったり、飲み会でも皆興味を持って話を聞いてくれたりと、山奥での生活が役に立った方の話が面白く読めました。

色々な経緯でニートが集まってきた共生舎ですが、15人もの人間が共同生活をしていくには一定のルールも必要だそうで、暗黙のルールですが、

  • 自分が使った食器はすぐに自分で洗う
  • 月に数回、夕食を作る
  • 半年に一度、全員で大掃除をする
  • 集落の行事には参加する

このぐらいのルールを守っていればあとは自由だそうです。

ここまで見ていると、なんて快適なんだろうと思いますが、やはり中には、

  • 山奥での生活が合わない人
  • 月々の生活費18,000円を支払わない人
  • 暴力をふるう人

といった人達も居るみたいです。そういう人達は、自ら山奥を出て行ったり、石井さん達3人の古参メンバーの協議で、出て行ってもらったりしているそうです。ニートとはいえ、共同生活には秩序も必要なみたいですね。

FIREと山奥ニートの共通点

石井さんは山奥ニートのことを「じゃない人」とおっしゃています。

緋色
緋色
そもそも普通のニートも(Not in Education Employment or Training)なので、「じゃない人」ですね

そして自分達をNPOやNGOのように、NFO(Non Family Organization)、「(家族)じゃない組織」と定義し、山奥という、都会とも田舎とも違った未開拓地「じゃない場所」に住むことによって、他人との適度な距離感、最低限の収入での生活を実現し、自由で快適な時間過ごされています

石井さんの著書を読んでいると、具体的にこういう言葉は出てきませんが、やはりその生き方にFIREを目指す者としては共感出来るのです。「自由で快適な時間を過ごす」――。FIREも山奥ニートもここは共通していると私は思います。違うのはプロセスなのです。

FIREの場合

倹約や副業によって得た余剰資金を投資にまわし、生活費≦配当金による経済的自由を目指す(仕事を辞めても良くなる)

山奥ニートの場合

まず仕事を辞めてから(そもそも定職に就かず)、最低限の収入とインフラが整った場所で、適度な距離感の人間関係の中で共同生活を送る

両者を比較すると、FIREが「仕事を辞めるために、様々な行動をすること」に対し、山奥ニートは「仕事を辞めてから、それでも生活していける所に身を置く」と、「自由で快適な時間を過ごす」までのプロセスが逆になっていることに気づきます。

逆が故に、いつもの「FIREを目指す為のオススメ学習本」としては紹介出来ず、番外編として記事にしました。しかし、このように山奥ニートの生き方そのものは、大いに共感することが出来るので、FIREを目指されている方には、面白く読める本なのではないでしょうか?

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今回は以上です。

最後までお読み頂きありがとうございました。

それでは、また!

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