私が「FIRE」を目指すきっかけとなったのは鬱病でした。10年ほど前、まだ私が20代半ばの頃のことです。私は自動車販売会社に勤めていて、そこへ整備士として入社しました。もともとクルマが好きだったので、入社当時は、好きなことを仕事に出来たことに希望を抱いていました。
しかし、入社から3年ほど経つと、次第に職場の人間関係や仕事内容に悩むようになり、朝も起き上がれなくなりました。あまりに酷かったので、心配した母親に病院に連れて行かれ、そこで鬱病と診断されました。
その後、投薬治療や休職の甲斐もあって症状も良くなり、一度は復職しました。しかし、人間関係も仕事内容も変わったわけではないので、再び症状が悪化し、休職――。
この頃には、好きだったクルマもイジるのが嫌になっていましたし、定年まであと40年近くもこのままなのだろうかと絶望していたので、本気で会社を辞めようと考えてました。しかし、会社を辞めた後の生活や再就職に不安があり、辞めたくても辞められない状況に日々ストレスを感じ、心身共にボロボロでした。そんなある日、当時の人事部長と直属の上司に呼び出され、別部署での業務を打診されたのです。何日か考えたのち、今の環境が変わるのならばと、承諾しました。
部署異動してからは、随分と症状が良くなりました。前の職場からの解放がこんなのにも良い影響があるのかと、喜びを感じたのを覚えています。そして、数年後には鬱病を克服することが出来ました。また、鬱病を患った経験から、
そんな思い付きと、ちょうどNISA制度が始まったのもあって、投資を始めました。当時はFIREのことも知らず、今思えば、方向性は間違っていませんでしたが、その前にもっとお金の勉強をするべきだったと思っています。
数年後には結婚もし、子供も2人生まれました。この間、子育てや趣味の時間を優先するようになり、全く投資をしていない時期もありました。ただ、家族が増えれば支出も増えます。投資どころか、貯金も思うように出来なくなりました。そして、仕事の方も不満が出てきました。まず、職場の配置転換によって私だけ業務量を増やされるのが不満でした。それに加え、私が勤めている会社では、平日の定休日の他に希望休と言って、月に何日か自由に休みを取ることが出来ます。しかし私の場合、業務内容の関係で自由に希望休が取れないこともあり、家族との土日の時間も取れないことにも不満が募っていきました。
そんなある日、ネットサーフィンをしていた時にとあるブログに出会ったのです。それが三菱サラリーマンさんのブログでした。そこで初めて「FIRE」のことを知ったのです。その内容は私にとって衝撃的で、何となく「投資で資産を築けは仕事を辞められるだろう」という漠然した私の考えを具体的かつ、詳細に書かれていたからです。そして何より、ご本人が既に「FIRE」を達成されているのには驚かされました。自分と同世代の方で、このような方がいらっしゃったことに大いに感化され、私も「FIRE」を目指そうと思ったのです。