これまで、FIREを達成する為に投資信託(インデックスファンド)の購入を勧めてきました。この記事では更に追加の知識として、FIREを達成する為に是非とも知っておきたい、ETFについて語っていきたいと思います。
まずは本題に入る前に、結論を述べます。
結論
つみたてNISA以外に米国高配当ETFも買う
まずは投資信託のことを軽くおさらい
ETFのことを説明する前に、まずは、投資信託のことを軽くおさらいしたいと思います。
投資信託
投資家から資金を集めて、ファンドマネージャーが投資家に代わって株式や債券などを購入し、運用する。投資金額に応じ、ファンドから分配金(配当金)が入る
メリット
- 少額(100円)から手軽に分散投資が出来る
- 個別銘柄に加えて管理が楽
デメリット
- 一般的にETFよりも手数料が高い
- 株式市場に上場していないので、リアルタイムで取引が出来ない
大まかにまとめるとこんな感じです。では、これを踏まえてETFの説明をしてきます。
ETFについて詳しく
ETFは正式名称を「Exchange Traded Funds」と言い、日本語に訳すと「上場投資信託」と呼ばれるものです。
ETF
ETFは投資信託のように、手軽に分散投資が出来るという点は一緒ですが以下の項目が投資信託と違うは違っています
- 1株単位での売買となる
- 一般的に投資信託よりも手数料が安い
- 株式市場に上場しているためリアルタイムで取引が出来る
- 投資信託のように分配金(配当金)が自動的に再投資されない為、自分で買い増しをしなければならない
- 殆どのETFはつみたてNISAの対象外(NISAは可)
①について
これは1株いくらと値段が決まっているので、投資信託のように小額投資が出来ません。なので、年間のNISA枠を使い切ろうにも、数百円から数千円分の枠が残ってしまうのがデメリットです。(投資信託と組み合わせれば使い切れますが)
②について
売買時のコストや、保有コストが投資信託に比べて安いので、長期保有に向いているでしょう。明らかにメリットですね。ただ、最近は投資信託の方もかなり安くなってきてますので、検討の余地がありますね。
③について
これが一番の特徴でしょうか。一日に一度基準額が決まる投資信託と違って、ETFは、株式市場が開いている時間に価格が常に変動するので、まるで個別株のようにリアルタイムでの取引が出来ます。なので、デイトレードや、スイングトレードなどの短期保有での取引によっても利益を上げることが出来ます。
ただ、価格が常に変動するということは、高値掴みや底値売りなどのリスクもあります。(FIREをする為には基本長期保有なので、③はあまり関係ないかもしれません)
④について
これについてはETFはちょっと手間です。投資信託の方がお手軽だと言われる一つの所以でしょう。また、①でも話しましたが、投資信託は少額でも投資が可能な為、自動再投資による複利効果はETFよりも投資信託の方が勝ります。
⑤について
これはホントに悩ましい問題です(笑)私としては、
一般NISAが120万円×5年=600万円で、
つみたてNISAが40万円×20年=800万円と、
つみたてNISAの方が非課税枠が多いので、つみたてNISAにしていますが、年間の投資額の多さとETFに投資出来る一般NISAも捨てがたかったので、非常に迷いました。実際に、FIREを目指している方のブログをいくつか拝見しましたが、一般NISAでETFって方もいらっしゃいましたね。
緋色の考え
特定口座でETFを買う
私としては、つみたてNISAの年間40万円の非課税枠の方が、毎年確実に使い切れるだろうと考えています。(一般NISAでもロールオーバーがあるので、その年の非課税枠を使いきれなかったとしても、5年後に巡ってくるでしょうが……)
妻もつみたてNISAをやっていますし、子供達のジュニアNISAも同時にやっていますが、それでも年間40万円の投資では少ないと思っています。かと言って、私の勤めている会社では企業型DCに加入しているので、iDeCoに加入してさらに非課税枠を増やすことも出来ません(2022年10月からは加入出来るようになるみたいです)。
そもそもFIREの考え方として、
支出≦配当金
を目指しているので、自動再投資されてしまう投資信託では、将来どのように切り崩していくのかが課題になってきますし(「4%ルール」なるものはあります)、やはり定期的に入ってくる配当金は重視したいところです。
そこで、つみたてNISAの他に、特定口座でのETFの購入も同時にやっていくことにしました。売却益や分配金に課税はされてしまいますが、投資額を増やして、積極的に資産運用をしていきたかったからです。
やっぱ米国ETFだよね
じゃあ、具体的にどんなETFを買うのが良いのかというと、これはやはり「米国ETF」が最適解と考えます。理由は、市場規模が日本の約10倍と大きく、ETFの種類も豊富だからです。特に、FIREをする為に有効な高配当ETFが充実しているので、投資信託がリスク分散を重視する、全世界株式や全米株式なら、ETFは配当金を重視する、米国高配当ETFを中心に購入するようにしています。
実際に、我が家で購入している米国ETFは以下になります。(2021年3月現在)
- バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)
- iシェアーズ・コア高配当ETF(HDV)
私がVYMを、妻がHDVを購入しています。子供達の場合は将来の教育資金に使う為、ETFよりも大きな複利効果を狙った、全世界株式の投資信託のみを購入しています(直接的なFIRE目的ではないので)。
ここにもう一つ、SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF(SPYD)を加えた3本は、特に有名な高配当ETFです。
VYM | HDV | SPYD | |
信託報酬 | 0.06% | 0.08% | 0.07% |
配当利回り | 2.58% | 3.68% | 6.54% |
構成銘柄 | 414銘柄 | 75銘柄 | 80銘柄 |
純資産総額 | 354.92憶ドル | 65.15憶ドル | 30.61憶ドル |
(2021年3月28日調べ)
以下に特徴をまとめます
VYM
- 3本のうち最も信託報酬が安い
- 構成銘柄が414銘柄と米国市場のセクター構成近いので、リスク分散になる
- 純資産総額も圧倒的に多く、高配当ETFでは一番人気である
- ただし、配当利回りは3本中最も低い
HDV
- モーニングスター配当フォーカス指数をベンチマークにしていて、構成銘柄はが3本中最も少ないので、あまり分散されていない
- 四半期に一度に構成銘柄の入れ替えが有る為、常に財務の健全性が高い銘柄で構成されている
- セクター構成に偏りがあるのが難点か(エネルギー、ヘルスケア、通信、生活必需品の上位4つで全体の68%の占める)
SPYD
- S&P500を構成する銘柄のうち、特に高配当の80銘柄で構成されている
- 3本中最も配当利回りが高い
- セクター構成に偏りがある(金融、不動産、エネルギー、公益事業の上位4つで全体の70%を占める)
- 3銘柄中コロナショックで最も株価が下落した
この3本を今後どう買う?
私はS&P500の投資信託に投資ているので、もう少し分散になるかと、一番人気のVYMを選んでいます。妻は全米株式に投資していて、私よりは分散になっているので、HDVを選んでいます。SPYDはこの3本の中では一番ハイリスク、ハイリターンで、実際に今回のコロナショックでも一番値を下げたので、ちょっと購入は見送っていました。
ただ、今後の戦略として、HDVとSPYDのセクター構成がほとんど被っていない(特徴の黄色いマーカーを引いた所を参照)ので、妻にSPYDをHDVと合わせて買ってもらい、リスクを分散しつつ、リターンを目指していきたいと考えています。
また、私の場合はVYMに追加で、バンガード・米国増配当ETF(VIG)も買ってみようかと思っていますが、2021年1月から毎月少しずつ買い始めたばかりなので、ある程度保有するようになってから、またご報告したいと思います。
まとめ
- つみたてNISAでインデックスファンドを購入していて、年間40万円以上投資する場合は特定口座でETFを購入する
- 特にFIREを目指す場合、年間の生活≦年間の配当金が目標なので、銘柄が充実している米国高配当ETFが特におススメ